2018年公開。 主演:阿部寛さん
■あらすじ■
アパートで滋賀県在住の押谷道子の腐乱死体が発見される。
死体が発見された部屋の住人越川睦夫は消息を絶っており、警察は越川を重要参考人として行方を追う。
捜査1課の松宮は事件現場のアパートの近くで発生したホームレス焼死体事件と押谷道子の事件に関連性があるように感じていた。
一方滋賀県に住んでいる押谷道子がなぜなんのゆかりもない東京にきていたのか聞き込みをしたところ、明治座で開催されている舞台を見に行くためだったことがわかる。
しかもその舞台の演出家、浅居博美は押谷道子の中学時代の同級生だったのだ。
松宮は従兄でもある日本橋の刑事、加賀に今回の事件のアドバイスを求めにいく。加賀は浅居博美と以前からの知り合いだったのだ。
押谷道子の事件について、特に興味を持っていなかった加賀だったが、死体発見現場の越川の部屋
に残されていたカレンダーに、毎月日本橋にある橋の名前が書いてあったと聞かされ驚く。
なぜならば、加賀が幼いころに失踪し、亡くなった母の部屋にも同じカレンダーがあったからだ。
加賀はこの事件の捜査に加わることになる。そして母の失踪の謎と、浅居博美が隠している悲しい過去が明らかになる。
■心に残るシーン その①■
浅居博美が母の病室を訪ねるシーン
浅居博美の母:厚子は、博美が幼いころから男遊びが激しく、夫:忠雄名義の多額の借金を作って失踪していたうえに無銭飲食のすえに足を怪我し老人ホームに入り浸っていました。
博美はそんな母を恨んでおり、病院を訪れたときに「あんたの淫乱のせいでお父ちゃんがどれだけ苦しんだか。あんたには地獄におちてもらう。お父ちゃんが味わった以上の地獄に」といって詰め寄ります。
そのときの博美の顔からあふれ出る憎しみと悲しみの感情が印象的でした。
涙も流していましたが、その涙からも言葉でいうだけでは抑えきれないほどの憎しみ・恨みの感情が現れれているようでした。
(浅居博美を演じた松嶋菜々子さんの演技が最高でした!)
■心にのこったシーン その②■
忠雄と博美の夜逃げ 売店で小さいパンを2人で分け合うシーン
母:厚子が作った借金で借金取りに追われていた忠雄は博美をつれて夜逃げをします。
あてもなく逃げ続ける夜逃げのシーンは、暗く希望なんてないように感じます。
でも田んぼ道にある売店で忠雄が博美にパンを買ってあげたシーンで、博美はそのパンを2つにわけ大きいほうを忠雄に渡します。
忠雄は遠慮しますが、最終的に大きいほうを博美に渡し二人はパンを分け合いながら食べます。
お金もなく、先がないような状態でもお互いが思いあっていることがわかるシーンで胸が熱くなりました。
■心に残ったシーン その③■
忠雄と博美の別れのシーン
逃げている途中のラーメン屋で横山一俊という原発作業員に会います。
横山は帰り際に「お小遣いをあげるから後で車にくるように」と言われます。
横山と別れた後、忠雄と博美は豪華なホテルに宿泊します。
博美は「こんなところに泊まるお金あるの?わたしは公園でも大丈夫なのに」と忠雄に詰め寄りますが、忠雄は「金の心配はするな」と笑いかけます。
忠雄の様子に不安を感じた博美は忠雄が居なくなったのを見計らって財布を見ますが、やはりホテルに泊まれるほどのお金なんて全くのこっていませんでした。
博美は横山の言葉を思い出し横山の車に向かいます。
横山は笑顔で車に入るようにいいます。博美は何をされるかわからない恐怖の中忠雄を助けるために車に入ろうとします。そして車の真横まできたときに横山に無理やり車の中に連れ込まれてしまうのです。
車内でとっさに割りばしで横山を刺して殺してしまった博美。
その場から離れトンネルで泣いていると忠雄が博美を探しにやってきます。
忠雄は、博美が横山を殺してしまったことを隠すために浅居忠雄自身を死んだことにして自分が横山になりすまし生きていくというのです。
それはつまり2人が一緒にいれなくなること、別れを意味していました。
自分のせいでこんなことになってしまったと号泣し謝る博美に対して、忠雄は「博美が夢を持って幸せにいきてくれることが願いだ。それ以外は何もいらない」と言います。
そして必ず手紙を書くからと約束し、「さようなら、博美」とつげて忠雄はその場を離れます。
しかし博美は「お父ちゃん」と何度も叫びながら追いかけ、一度はトンネルから離れた忠雄も引き返してきて再び二人は抱きしめあいます。
・・・このシーンは、いま書いているだけでも涙がでてきますね・・。
子供の為なら自分の存在を消すことさえできるなんて、親ってすごいなぁって思いました。
すごいって簡単な言葉で片づけてしまいましたけど、、、「すごい」いがい言葉見つからないです
■まとめ■
殺人事件を追うミステリーものでありますが、その事件にかかわる2組の親子の物語が見どころです。
JUJUさんが歌う主題歌「東京」もこの映画にリンクしていて感動的です。
MVが泣けるので映画と合わせてぜひご覧下さい!
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